Blog

8番目の大陸?!『ジーランディア』

近年の海底地形調査で、ニュージーランドは7大陸(ユーラシア大陸、ヨーロッパ大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストリア大陸、南極大陸)に次ぐ8番目の大陸「ジーランディア」の一部であることが明らかになっています。

<ジーランディア大陸とは?>
ジーランディア大陸は、現在の南極、オーストラリア、南米、アフリカを擁していたゴンドワナ超大陸が分裂するプロセスの途中で、8千万年前に太平洋プレートとオーストラリアプレートの活動によりゴンドワナから引き離されてできたとされています。

ジーランディア大陸の面積は約490万平方キロメートルと、オーストラリアの約半分、日本の約13倍にもなります。 およそ2500万年前にそのほとんどが海に沈んだとされ、全体の94%が水中にあります。

ニュージーランドとニューカレドニア、オースラリア東岸沖の島々だけが海面より上に突き出しています。 衛星でニュージーランドを宇宙から撮影したところ、海底に巨大な影が映し出され、調査の結果なんとニュージーランドの周囲に巨大な大陸があったことが判明したのです。


<なぜニュージーランド固有の鳥は飛べないのか?>
約2,400万年前、ジーランディア大陸は地殻変動により水没し、すべての陸生動植物が絶滅しました。 その後、この大陸の一部が隆起したのが現在のニュージーランド(およびニューカレドニア)です。

鳥類の最大の天敵である哺乳類がいない地に、鳥や昆虫たちが海を渡ってたどり着き定住しました。空を飛んで逃げる必要がないため、進化の過程で翼を退化させていきました。

人間が上陸するまでコウモリ以外の哺乳類や蛇などが存在せず、鳥たちにとっては天敵のいない楽園だったのです。


<失われたジーランディア大陸の痕跡>
ニュージーランド北島のロトルア近郊にあるタラウェラ山の噴火はジーランディア大陸は沈んだ理由だという説もあります。そこでは山の頂上がV字型に大きく割れ、真っ赤な穴になっています。

この巨大な割れ目は、噴火の際にできた火口なのです。1886年6月10日深夜、タラウェラ山は火口から6000mもの高さにまで溶岩を吹き上げ噴火し、その爆発音は、300km離れた場所でも聞こえたと言われています。


南島には隆起でできた不思議な海岸、モエラキ海岸があります。
直径2m、重さ2t~5tの丸い岩が、砂浜に30~40個も砂に埋まっています。恐竜の卵のようにも見える不思議なこの岩は「モエラキボルダー」という岩で、およそ6500万年前、海底で微粒子にカルシウムなどの成分が付着し、数百万年かけて徐々に大きくなり、海底が隆起し岩の周りの泥が風や雨で流されたため、丸い岩だけが海岸に残ったと言われています。

さらに南島の東海岸オタゴ半島には、ジーランディアで誕生したと言われるペンギンが生息しています。5ドル紙幣にも描かれているイエローアイドペンギンはニュージーランドを代表するペンギンですが、絶滅の危機に瀕している種でもあります。

ニュージーランドには、地球上にいる18種類のペンギンのうち、7種類が生息していおり、ジーランディアこそペンギン発祥の地だったと言われています。
ペンギン天国ニュージーランドでは、ジーランディア大陸に生きていた珍しいペンギンの化石も見つかっています。南島オタゴで発見されたペンギン「Kumimanu biceae」の化石は、体長177cm、体重100kgにも達する巨体を誇っていただろうとされています。

<地震の多いウェリントンには活断層が通っている>
ウェリントンの沖合に太平洋プレートとオーストラリアプレートの境があり、ウェリントン市内にも活断層が南北に走っています。2つのプレートが見られるのは世界でも珍しく、アルパイン断層と呼ばれています。2つのプレートこそが、ニュージーランドなどジーランディアの陸地の一部が残った謎を解くカギだと言われています。

海に眠る謎の大陸ジーランディア。なぜ巨大な大陸は沈んでしまったのか?謎が解き明かされる日は近い?