ニュージーランド(以下NZ)といえば…、「羊とラグビー」というのは過去のこと。映画界でも話題を呼んだファンタジー映画『ロード・オブ・ザ・リング』の撮影舞台として、ソーヴィニョン・ブランやピノ・ノワールに代表される良質ワインの産地として、環境問題や自然保護に敏感な環境立国として、NZは多彩な魅力と多くの可能性を秘めた国として、世界に認められつつあります。

そんなNZに豊かなライフスタイルを求めて、欧米や近隣アジアからの移民流入が絶えません。人口は増加を続け、2003年4月には400万人に達しました。人口構成は、欧州系が8割、先住民族マオリ系が1割強、アジア系とポリネシア系がそれぞれ5〜6%(Statistics New Zealand)。国民の5人に1人が海外で生まれたと言われ、異なる人種や文化を認め合って共存するマルチカルチャリズムが定着しつつあります。公用語は英語とマオリ語。第2外国語には、日本語が強い人気を誇っています。

NZで撮影・取材をお考えの方にお伝えしたい、NZの魅力とは、@豊かな自然Aユニークな生態系Bアクセスの良さCおおらかで親切な人々、そしてD美味しい食べ物です。

@ 豊かな自然 [活火山から氷河まで]

NZの大きさは日本列島の70%程で、北島(きたじま)、南島(みなみじま)と呼ばれる2つの大きな島と、スチュワート島やチャタム島などの小さな島々とで構成されます。日本よりコンパクトなサイズだとはいえ、その面積に住む人口が約400万人と言うのだから、いかに自然の空間が大きいかご想像いただけることでしょう。

南北に長い地形から、北島と南島ではだいぶ地勢が異なります。NZは、ちょうどインド・オーストラリア・プレートと南太平洋プレートと呼ばれる2つの地殻の境界上にあり、日本と同じように火山活動が見られます。北島中央部のロトルア周辺は、国内最大の地熱地帯で、間欠泉や温泉があることで知られています。北に行くほど温暖で、北島の北部は、トロピカルな気候から、海のリゾート地として人気があります。大物釣りやダイビング、イルカと泳ぐツアーなどのマリーン・スポーツが盛んで、フィッシング・ロッジや高級別荘地が点在します。

南島の中央部には、南北に3000メートル級の鋭峰が連なり、サザンアルプスと呼ばれる山岳地帯が広がります。万年雪と氷河を擁し、氷河へ登るハイキングや氷河湖を巡るボートツアーが観光客にも人気を呼んでいます。NZの最高峰マウント・クックは、ヒマラヤのK2を舞台にしたアドベンチャー映画『バーティカル・リミット』のロケ地にもなりました。南島の南西部は、降水量が多いのが特徴で、シダやブナに覆われた、手つかずの原生林が広がります。西側の海外線は複雑に入り込んだフィヨルド(峡湾)を形成し、周囲には、1000メートル級の高い崖が水面から屹立する、壮大な景色が広がります。この一帯は世界自然遺産にも登録されています。 トップへ戻る

A ユニークな生態系 [鳥の楽園]

キーウィという名の鳥はご存知ですか?NZといえば…、「飛べない鳥!」という人は、かなりのNZ通です。その昔、NZがゴンドワナ大陸から切り離されて島になった頃、ここには哺乳類(こうもり以外)の存在しない、ユニークな生態系が形成されました。天敵のいないNZは鳥類の楽園と化し、鳥たちの羽は退化してしまったのです。時代を経た今、絶滅してしまった鳥も多くいますが、現存するキーウィやカカポ、タカヘ、ウエカ、フィヨルドランド・ペンギンなどのNZ固有種は、国によって保護されています。

この独特の生態系を守るために、NZでは厳しい検疫システムが敷かれています。旅行者が空港から入国する際は、動植物や生鮮食品の持ち込みが一切禁止、また貨物船などでも、新種のクモやアリなどの害虫が入り込まないように、厳重な検査が行われます。お陰でNZには蛇がいません! さすがにクモはいますが、毒を持った危険な害虫はいないので、例えば山を歩くときに、NZ人は半袖半ズボン。庭先や公園で、子供達も安心して素足で遊ぶことができます。

植物で象徴的なのは、シダ(ファーン)です。山や森はもとより、街中を歩いていても、シダの多さは目を引きます。ほとんどがNZ原産で、大小を合わせて200種近くあります。ラグビーの王者オールブラックスのロゴは、シルバー・ファーンがモデルです。葉の裏側が白いのが特徴で、その昔、先住民族マオリの人々は、暗い森を歩くときの道しるべに使ったといいます。ニュージーランド航空のマークも、シダがモデル。うず巻き型のデザインは、シダの芽(マオリ語でコルー)です。マオリの人々にとって、芽は生命の誕生や発展を意味します。 トップへ戻る

B アクセスの良さ [地球の箱庭]

火山と温泉、アルプスと氷河、原生林、フィヨルド、シダの森、ツチ蛍の洞窟、川釣り、海釣り、ビーチリゾート、広大な牧草地、のどかな田園風景、大都市からイギリス的な田舎町まで…。NZが「地球の箱庭」と称されるのも納得です。

国のサイズがコンパクトで、国道が全土を網羅しています。また気候がマイルドで(*下記参照)、危険な動物がいないことなどから、どのロケーションへもアクセスが良く、比較的身軽に撮影・取材をしていただくことがきます。ただし国立公園や自然保護区、マリーンリザーブなど、国の自然保護省に管理された土地で撮影を行う場合は、許可が必要となるほか、撮影内容や場所に制約のある場合があります。

* 夏場(1月)の平均最高気温は、北島(オークランド)23.3度 / 南島(ダニーデン)18.9度、冬場(7月)の平均最高気温は、北島(オークランド)14.5度 / 南島(ダニーデン)9.8度

日本との時差は3時間で、NZが先行しています。NZでは、夏季に夏時間を採用していますので、10月(第1週目の日曜日)から3月(第3週目の日曜日)までは、時差が4時間になります。夏場は夜9時過ぎまで明るく、撮影であれ遊びであれ、1日を有効に使うことができます。また日本とは季節が逆なので、季節を先行して準備を進めるファッションやカタログの撮影も多く行われています。

交通ルールは日本と同じで、左側通行です。その上レンタカーの多くが日本車なので、無理なく運転をしていただけます。またNZではキャンピング・カーが普及しており、最近では、キッチンやテレビ、インターネットやDVDを備えた高級モーターホームも登場。ロケバスとしてご利用いただくのも良いでしょう。NZで車を運転する際は、名前が英語で表記された国際免許証が必要です。またエイビスやハーツなどの大手レンタカー会社では、運転手は満25歳以上であること、という年齢制限を設けています。 トップへ戻る

C おおらかで親切な人々 [キーウィ・ホスピタリティと遊びの達人]

一般的にNZの人々は、明るくおおらかで、親切な人が多いと言います。通りすがりに目線が合えばニコッとスマイル、通りで地図を広げていると、「どこに行きたいの?」と声を掛けてくれるだけでなく、行きたい所まで連れていってくれるほどの勢いで、厚遇を受けることがあります。

そんな優しい気質を持つNZ人は、自分達のことをキーウィという愛称で呼びます。飛べなくなってしまった鳥、キーウィに由来します。NZ人ならではの思いやりのある待遇を、キーウィ・ホスピタリティといいます。さらに、鳥のキーウィは、メスが卵を産み落とすと、オスが卵を温めることから、メス思いのオスということで、家庭的なNZの男性は、キーウィ・ハズバンドと呼ばれます。

キーウィ・ホスピタリティを売り物にしたユニークな宿泊施設、ファームステイやB&Bは、旅行者に定評があります。最近では、レベルアップした高級ロッジが続々と登場。ロッジは部屋数が少なく、オーナーが至れり尽せりの個人サービスを提供します。お抱えのシェフが用意するディナーを含む3度の食事は勿論のこと、夕食前のカクテル・サービスからプロのセラピストによる美容トリートメントまで、贅沢尽くしの体験ができます。こんなロッジの利用客は交通手段も贅沢。ヘリコプターをチャーターしてNZを巡る人もいます。大抵のロッジにヘリパッドがありますし、ヘリコプターやセスナ機専門の会社も全国に点在します。

豊かな自然に囲まれて育ったNZ人は、根からの自然派。また個人の時間や空間を大事にし、ゆとりがあるせいか、発想も豊かです。世に知れたバンジージャンプを商業化したのはNZ人。バンジージャンプは、ついにオークランドのハーバー・ブリッジにも登場しました。そのほか*ゾービングや**スカイワイヤーなど、自然を利用したアウトドア遊びを考案するのが得意です。 トップへ戻る

* ゾービング:巨大な透明のボールの中に入り、立った状態で体を固定、そのまま丘をぐるぐると転がり落ちる。
** スカイワイヤー: ワイヤーに吊られた4人がけのリフトに座り、深い森に覆われた谷間の上空、地上約150m、区間1.6kmを超高速で飛ぶ。

D 美味しい食べ物 [パシフィック・リム料理]

伝統的なヨーロッパの調理法を脱したパシフィック・リム料理。NZでも多くのレストランが同スタイルを取り入れています。アジアの食文化からの影響が強く、醤油はもちろん味噌やみりん、ごま、山椒など、日本の調味料や香辛料も多く使われています。パシフィック・リム料理では、素材の味を引き立たせるために、比較的さっぱりとした味付けが多く見られます。その上、NZは魚介類が豊富ですので、海鮮系のパシフィック・リム料理は日本人にも好評です。魚介類は主に牡蠣(ロック、パシフィック、ブラフの3種)、あわび(マオリ語でパウア)、ホタテ、緑イ貝(かなり大つぶ)、イセエビ、鯛、平目など。ジョンドリやタラキヒといったNZ特産の白身魚も多く出回っています。イセエビの産地カイコウラ(南島)では、まるでハンバーガーを買うが如く、町のテイクアウェイ(テイクアウト)屋で、蒸したイセエビが売られています。お値段は500gで$30程(旬は6月)。肉類といえばラム、柔らかく臭みはありません。鹿肉(ベニソン)は高級料理として、食通の人に人気です。

近年NZでも、健康や食の安全性について関心が高まっており、消費者の思考はグルメから安全食に移りつつあります。オーガニック食品の需要は高く、一般のスーパーでも大抵扱っています。有機、無添加食品は農作物にとどまらず、肉(牛、豚、鳥)やチーズ、シリアル、アイスクリーム、ワインなどもあります。これらの有機農産物の食材にこだわりを持つレストランや高級ロッジも増えています。

その他のお役立ち情報
  • お金: ニュージーランド・ドル
  • チップ: 基本的に不要。高級レストランではチップ(5〜7%)を払う場合もある。
  • 消費税: 物品・サービス税12.5%。外国人への支払い戻しは無し。
  • 電圧と電気器具: 230/240ボルト(50ヘルツ)で3ピンのプラグを使用。
  • 緊急の連絡先(警察、火災、救急車): 111
  • 入国ビザ: 撮影・取材のためにニュージーランドを入国する場合は、ワーク・パーミット(労働許可証)を取得する必要がある。申請料金は無料。詳しくは、ニュージーランド大使館へ。

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